10倍規制はくりっく365以外!
追記 2018年5月1日
FXのレバレッジ10倍規制は2018年中に実施されそうです。
参考:産経新聞
「金融庁、FX規制強化へ 証拠金倍率10倍に引き下げ 年内にも」
これ以前の報道としては、日経新聞が今年(2018年)2月12日に改めて報道したことで、金融庁によるFXの10倍規制が既定路線だと確認できました。
参考:日経新聞
「FX規制強化 金融庁、証拠金倍率10倍に」
実は今回、この報道の翌日(2月13日)、金融庁によるレバレッジ規制への公開検討会が行われこの10倍のレバレッジ規制はくりっく365以外のすべてのFX業者が対象になることが明らかにされました。
つまり、少なくとも2019年からは・・・
- くりっく365 :25倍のまま
- 他のすべてのFX業者:10倍へ規制
ということになりそうです。
目次
一体これはなぜなのでしょうか?
レバレッジ規制 なぜくりっく365以外なのか?
まず、2月13日に行われたこの金融庁による公開検討会について説明する必要がありますね。
この公開検討会は「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」の第1回として開催されています。
参加者は金融庁の人間と大学の教授ら、一部FX業者などなど。
話の内容は以下の通りです。
レバレッジ規制は10倍
→理由は個人投資家の保護
→10倍の論拠は85年以降の相場から
→法規制でなく自主規制かも
くりっく365は安全なので規制外
→それ以外すべてのFX業者が規制対象
→理由は店頭FX業者で危険だから
どうでしょう。
この内容だけ見ると、くりっく365のみがまさかのレバレッジ10倍規制の対象外・・・。
金融庁の言い分では「くりっく365が安全」な業者で、「それ以外のあらゆるFX業者の危険」性を否定できないということですが・・・
くりっく365があきらかに優遇されているように見えますね。
なぜくりっく365以外が規制対象?
なぜくりっく365だけがレバレッジの10倍規制の対象外なのでしょう。
実は・・・くりっく365の社長は過去4代連続で大蔵省の出身。これが意味するものとは・・・?
くりっく365と金融庁には、こんな関係があります。
つまり、もともとくりっく365の運営母体である東京金融取引所はお国の天下り先だということですね。
その天下りもとが旧大蔵省で、これは金融庁と財務省が分担する前の中央官庁です。
簡単に言うと・・・
金融庁はくりっく365をひいきしているということ。これは昔からメディアでもよく噂されていたことではあります。
しかし、金融庁は当然「国の天下り先だからくりっく365を優遇する」とは言いません。
金融庁の言い分は
- くりっく365⇒取引所FX:安全
- それ以外業者⇒店頭FX:危険
というものです。
【店頭FX=危険】10倍規制の理由【金融庁の言い分】
金融庁の言う
- 取引所FX
- 店頭FX
この2つの違いはなんなのでしょうか?
取引所FXと店頭FXの違い
取引所FXと店頭FXの2つの違いを、表で見てみましょう。
取引所FX業者 | 店頭FX業者 | |
---|---|---|
取引形態 | 取引所取引 | 相対取引 |
取引する相手 | 取引所 | 他の投資家 |
業者の利益 | 顧客の手数料 | 顧客の損失 |
顧客のお金 | 安全 | 危険? |
スプレッド | 広い | 狭い |
どんな業者? | くりっく365 | そのほかの業者 |
大きな違いを一言で言うと、FXトレーダーの注文を・・・
- インターバンクに直接流しているか
※インターバンク≒銀行のための市場 - 他の投資家の注文とマリーしているか
※マリー=相殺
というものです。
これによって生じるのは、FX業者とトレーダーの利益構造の違いですね。
表の中の「業者の利益」という欄を比べると
- 取引所FX:トレーダーと無関係
- 店頭FX :トレーダーの損失
これが業者の利益となります。
なぜこうなるかの理由をざっくり説明すると、投資家同士の売りと買いの注文をマリーさせる方法では、マッチング(相対)させる投資家が両者ともFX勝つとFX業者が損をしてしまうからです。
ただし、取引所FXより店頭FXの方が良いトレード環境を提供しているのは、スプレッドなんかの面を見ても分かりますね。
単純に良いトレード環境で損をするのはFXトレーダーの責任で、店頭FX業者が悪いわけではありません。
FXトレーダーが多く損失を出す現状から、店頭FX業者が相対取引を選択するのは営利企業として自然なことだと言えます。
そうなると、店頭FX業者の危険はどこにあり、くりっく365を優遇する金融庁の言い分はどこにあるのでしょう?
くりっく365が安全という金融庁の言い分?
金融庁の言い分は、先の取引所FX業者としての「取引の透明性」と合わせて「顧客の資金を東京金融取引所が管理しているから安全」というもの。
しかし、国内海外に関わらずネットが発達した情報社会では顧客の信頼が第一。
2000年代に見られた、顧客の資金を抱えて倒産する詐欺のような国内FX業者はここ10年ほど見られません。
顧客のお金はどこのFX業者も基本的にはしっかりと分別管理がなされています。
「個人投資家を守る」という言い分でくりっく365以外に課すレバレッジ10倍の規制。
金融庁とくりっく365のずぶずぶの癒着関係がある以上、妥当性は低いと言えます。
こうなると、FXトレーダー損ばかり。今後、我々FXトレーダーはどうすれば良いのでしょうか?
少しまとめてみましょう。
今後FXトレーダーはどうなる?【レバレッジ10倍規制】
金融庁がレバレッジの10倍規制をするといったら、規制するでしょう。(ドル円相場への影響等が懸念されない限り)。
そうなると我々FXトレーダーの選択肢は3つ。
- くりっく365で取引
- 他の国内FX業者で取引
- 海外FX業者で取引
です。
今後レバレッジが規制されたときのこの3つ業者の特に重要な違いをまとめてみましょう。
’19年~ | くりっく365 | 国内FX | 海外FX |
---|---|---|---|
レバレッジ | 25倍 | 10倍 | ~1000倍 |
スプレッド | 約 3 pips | 約 0.3 pips | 約 1.2 pips |
スキャルピング | △注スプレッド | ほぼ× | ほぼ〇 |
税金 | 一律20% | 一律20% | 15~50% |
分析ツール | 可 | 良 | 優 |
信託保全 | 優 | 良 | 可 |
借金リスク (追証) |
あり | あり | なし |
このようになります。
これでも分からないという人のために・・・
- トレードの熟練度
- トレードスタイル
- 資金の規模
などで、どの業者を使えばいいかを分けてみました。
2019年 ~ |
くりっく365 | 国内FX業者 | 海外FX業者 |
---|---|---|---|
熟練度 | 上級者 | 初~中級者 | 初~中級者 |
スタイル | スイング | デイトレード | スキャルピング デイトレード |
資金規模 | 1000万~ | ~1000万 | ~500万 |
いくつかピックアップします。
資金規模については、大きなお金ほど国内FX業者やくりっく365を推奨。しかし、元手が多いほど損失も大きくなるので借金のリスクに注意しましょう。
初心者は、借金リスクを考えるとゼロカットのある海外FX業者、スプレッドの低さで言うと国内FX業者がおすすめ。注意点としては、海外FX業者はハイレバレッジでトレードしないこと、国内FX業者は最大レバレッジ10倍による強制ロスカット。
スキャルピングなら、レバレッジやトレードの自由の利く海外FX、スプレッドもほどほどです。
そのほか、デイトレードやスイングはより低ロット&大きな資金で国内のFX業者で取り組むと良いでしょう。
最後に、われわれFXトレーダーは今後どうすればいいのかお話します。
今後のトレーダーの選択肢まとめ
今後、レバレッジ規制による我々FXトレーダーの選択肢は3つあります。
トレードを続ける場合、大まかに分けて、次の3つのどれかの業者を選ぶ必要があります。
2.国内FX業者 : 10倍 狭いスプレッド
3.海外FX業者 : 400倍~ 普通のスプレッド
となります。
最も迷うだろう人は、国内FX業者でトレードしていたFXトレーダーでしょう。
従来通りのレバレッジ25倍でFXをしたい場合、くりっく365のスプレッドはとてつもなく広く感じるはず。
やはりハイレバレッジも使えてスプレッドもくりっく365よりかは狭い、海外FX業者か・・・?
今後も海外FX業者が注目されそうです。