2019年の雇用統計はいつ?
日程 | 時間 | 日程 | 時間 |
---|---|---|---|
1月4日 | 22:30 | 7月5日 | 21:30 |
2月1日 | 22:30 | 8月2日 | 21:30 |
3月8日 | 22:30 | 9月6日 | 21:30 |
4月5日 | 21:30 | 10月4日 | 21:30 |
5月3日 | 21:30 | 11月1日 | 21:30 |
6月7日 | 21:30 | 12月6日 | 22:30 |
※123月のみ米雇用統計の発表時間が22:30です。発表時間によって相場のタイミングもずれるので注意しましょう。
米国の雇用統計は一気に100pipsも動くことがある事から、FX取引の中でも、非常に大きなイベントとして注目されています。そのため、米雇用統計時におけるFXトレードの勝ち方を研究したサイトは数多く、中には非常にユニークな取引法もみられます。
しかしこれまでのところ、必ず稼げる必勝法は編み出されていません。今回は、米雇用統計におけるFXトレードに焦点を当て、そのトレード手法を紹介するとともに、2019年のFX相場について予想を行ってみましたので、参考にしてください。
では、まず雇用統計についての基本情報についてから見ていきましょう。
雇用統計とは
はじめに、雇用統計とはどのような統計なのかについてみていきます。
雇用統計とは?
雇用統計は、米国労働省が毎月第1金曜日に公表する国内の雇用情勢を調べ数値化した経済指標です。失業率をはじめ、各業種の雇用者数や週労働時間、平均時給など10項目の結果からなっています。
米国の雇用統計は、世界の主要経済指標の中で最も注目されており、その結果は為替市場や株式市場などに大きな影響を及ぼします。
雇用統計は100pips以上の値動きも
雇用統計の結果が外国為替市場に与える影響は非常に大きく、その結果次第ではFX相場が大きく変動します。
多くの人が取引するFXでこんなにも値動きがあるのは珍しく、上手にトレード出来れば大きな利益が狙えます。
なぜなら、米国は世界第1位の経済大国で、その景気動向は全世界の経済に大きな影響を及ぼすからでしょう。また、米国ドルは世界の貿易や金融取引の決済通貨・基軸通貨として流通している事も影響していると考えられます。
したがって、雇用統計の結果が良ければ、ドルは他の通貨に対し大きく上昇し、逆に結果が悪ければ下落することになります。このため、FX相場も、雇用統計の結果次第で100pips以上の値動きが生じることもあるのです。
雇用統計が大きなチャンスである事はお伝え出来たと思います。では、雇用統計で注意するべき点はどこなのでしょうか。
特に注意すべき二点とは
雇用統計は10項目からなっていますが、その中で為替市場が特に注目しているのが次の2項目です。
①失業率
失業率は、失業者を労働力人口(失業者と雇用者の合計)で割って算出します。調査対象は約6万世帯ですが、国内景気の動向を表す数値として注目されています。
②非農業部門雇用者数
非農業部門雇用者数は、農業・自営業の部門を除く雇用者数で、調査対象は約40万社、4,700万人にのぼります。ここでマーケットが注目するのが、前月と比べてどの程度増減したかという点です。
米国はGDPの7割を個人消費が占めており、その個人がどれだけ安定収入を得られるかということが、経済動向を判断する重要な目安となります。さらに、日本のように終身雇用制ではない米国では、景気が悪くなると簡単に解雇されてしまうため、雇用者数の増減が企業業績や景気判断のバロメーターになるのです。
この雇用者数の増減では、経済状態がプラス10万人で現状維持、プラス20万人で成長状態とみなされます。
雇用統計を利用してFXで稼ごうとする場合は、この「失業率」と「非農業部門雇用者数」に着目し、その結果数値により状況判断していくことが必要です。
【必勝法】経済指標で使えるFX手法とは
ここでは、雇用統計におけるFXトレードの手法を紹介します。
手法1:素直にトレンドフォロー
雇用統計で稼ぐための手法の1番目は、雇用統計結果の発表を待ちトレンドフォローで参加することです。トレンドフォローは、トレンドの向きに順張りでエントリーする手法です。
ただし、発表直後の大波に飛び乗ろうとすると、大怪我をする場合があります。雇用統計発表直後は、FX相場が大きく変動しており、スプレッドも広がっています。また、最も注意を要するのが、一旦急激に上昇した後すぐに急降下(その逆もあり)する「行って来い」のパターンです。
個人投資家が波に乗ろうとする時には、情報収集が速い機関投資家やヘッジファンドなどのプロ集団がすでに利益確定決済に入っているため、相場がUターンして逆側に持っていかれる危険性が高いのです。
したがって、雇用統計発表直後にスキャル感覚で飛び乗ろうとするのは、おすすめできません。
最も確実な手法は、相場が落ち着くのを待つことです。相場が落ち着いてくれば、スプレッドや約定力も持ち直し、落ち着いてトレードができる環境が整います。その頃には、マーケットの方向性が定まりトレンドが発生してくるのです。
もっとも、その間に発表結果が事前予想と比べてどうだったのかを調べ、発生してきたトレンドの妥当性を判断することが必要です。
発表結果と事前予想を照らし合わせ、トレンドの方向が正しいと確信が持てたら、相場の押しや戻りの調整部分でトレンド方向の波に乗ります。
この場合もあまり欲張らず、20pips程度の利益を目標に手堅くトレードを行いましょう。
手法2:ハイレバ&ゼロカット
確実に稼ごうと考えたら、「ハイレバ&ゼロカット」戦法が候補になります。これは、海外FX業者のハイレバレッジとゼロカット・システムを利用する戦法です。
海外FX業者は、国内業者よりレバレッジ規制が緩いため、レバレッジが数百~1000倍で取引ができます。
また、海外FX業者は、口座残高以上の損失は業者側が負担してくれるゼロカット・システムを採用しているため、口座残高がマイナスになる、または追証を負うなどの危険がありません。
一方、国内FX業者はレバレッジが最高25倍と規制され、元手資金を大きく膨らませることができません。また、ゼロカット・システムもないため、雇用統計などの相場激変時に損切やロスカットが正常に作動しなかった場合は、悪くすると口座残高がマイナスとなり追証や借金を負う危険があるのです。
ハイレバ・ゼロカット戦法の例
おすすめ業者 | GEMFOREX |
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おすすめ理由 | 最大888倍まで可能 |
口座資金 | 5万円 |
売買通貨 | ドル円 |
通貨量 | 36万通貨 |
利益確定 | +40pips(+14万円) |
損切り | しない(-5万円) |
FX会社や投資サイトの情報から、
雇用統計の事前予想とADP雇用統計結果(雇用統計の2営業日前に発表)を比較・勘案して、「売り」「買い」どちらかを決定し、直前にポジションを建てる
雇用統計は決着が一瞬でついてしまう事が多く、「売り」と「買い」のどちらにしようかと迷っている内に時間切れです。あとの祭り状態に陥りたくなかったら少なくとも前日までに「前月の雇用統計」と「今月の雇用統計の予想」などを集めておきましょう。
手法3:両建てで確実な勝負
理屈上は勝てる確率が高いといわれる手法に、「両建て待ち構え戦法」があります。
これは雇用統計発表前に、あらかじめ「買い」と「売り」のポジションを同じ本数分、両建てで持っておくというものです。それぞれのポジションには自動損切(ストップ)を同時発注で設定しておきます。
雇用統計発表を受けて相場がどちらかに進めば、外れた方のポジションは損切にかかりその分損しますが、当たった方は大きな利益を獲ることができるというものです。
実際に、この戦法で大きな成果を上げている例もあります。
しかし、以下の理由で、この手法はあまりおすすめできません。
雇用統計発表後のFX相場は、一直線にトレンドが発生する場合もありますが、下図のように、上下に大きく振幅するなど「「行って来い」のパターンになることも多いのです。その多くは振幅幅が大きいため、両方の損切を巻き込んでしまうことが珍しくありません。
両方の損切がかかってしまう前に手動決済を行おうとしても、発表直後は相場の変動が急激であるため、すぐに約定できないケースが多いのです。
両建てについて詳しく知りたいかたは以下のページを参考にしてください。
では、いよいよ2019年の雇用統計とその予想について見ていきましょう。
2019年の大予想
次に、2018年の雇用統計の結果を振り返るとともに、2019年のFX相場について予想を行ってみましょう。
ちなみに2018の雇用統計は
2018年の雇用統計はどうだったのか、予想と結果を対比してみました。
月 | 非農業部門雇用者 | 失業率(%) | 発表10分後の ドル円動き |
||
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結果 | 予想 | 実際 | 予想 | ||
1月 | 14.8 × | 19.0 | 4.1 = | 4.1 | -0.172円 |
2月 | 20.0 〇 | 18.4 | 4.1 = | 4.1 | +0.422円 |
3月 | 31.3 〇 | 20.5 | 4.1 × | 4.0 | +0.162円 |
4月 | 10.3 × | 18.5 | 4.1 × | 4.0 | -0.074円 |
5月 | 16.4 × | 19.2 | 3.9 〇 | 4.0 | -0.051円 |
6月 | 22.3 〇 | 19.0 | 3.8 〇 | 3.9 | +0.125円 |
7月 | 21.3 〇 | 19.5 | 4.0 × | 3.8 | -0.092円 |
8月 | 15.7 × | 19.3 | 3.9 = | 3.9 | -0.079円 |
9月 | 20.1 〇 | 19.1 | 3.9 × | 3.8 | +0.198円 |
10月 | 13.4 × | 18.5 | 3.7 〇 | 3.8 | +0.224円 |
11月 | 25.0 〇 | 19.0 | 3.7 = | 3.7 | +0.234円 |
12月 | 15.5 × | 20.0 | 3.7 = | 3.7 | -0.037円 |
注)〇結果が予想より良い、×結果が予想より悪い、=結果と予想が同じ
10月発表分は、発表直後に乱高下しその後下落。例年をみると、米国の雇用情勢は春・秋が比較的良く、ハリケーンなどがある夏場があまり振るわないようです。
雇用統計の発表後が勝負
前述したように、雇用統計の発表時は相場が荒れ、FXトレーダーの設定した損切やFX会社のストップロスが正常に作動しない、または大きく滑って約定するなどの可能性があります。
したがって、ハイレバ・ゼロカット戦法のようにゼロカット・システムで守られている場合などを除き、通常のやり方で発表前に仕掛けるのは危険があります。
このため、発表後にFX相場が落ち着くのを待ってから参加するのが安全な手法といえます。【雇用統計は発表後が勝負】と肝に銘じましょう。
雇用統計の結果より、予想との乖離度に注意
雇用統計の結果によりFX相場が大きく変動するのは、発表された数値自体の良し悪しより、むしろ事前予想とどれだけ乖離していたかという点にあります。
発表結果が、マーケットにすでに織り込まれている事前予想と大差なければ波乱は起きませんが、逆にかけ離れていると相場が急変してしまうのです。
2019年のFX相場・雇用統計予想
2017~2018年にかけての複数回に及ぶ利上げで、ドルは先進国の中で最も高金利の通貨になっています。また、米経済は拡大を続ける個人消費や堅調な企業業績などを背景に、現在は非常に力強い状態で、少なくとも2019年の前半は今の好調さを持続できると予想されます。
一方の日本経済は、輸出企業を中心とする企業収益こそ堅調といえますが、個人消費は伸び悩み、内需の停滞が続く状況となっています。
長期的にはドル高の傾向
以上のような日米の金利差や景気動向の違いなどから、長期的にみるとドルが円より弱くなる要因があまり見つかりません。2019年の為替相場は、通年でみると現在のドル高がそのまま継続する可能性が高いといえます。
また、米国の雇用情勢をみると、失業率は半世紀ぶりの低水準を達成しており、企業の求人が非常に活発な状況で賃金の伸びも拡大しています。このことから、2019年の雇用統計の数値もこれらの状況を反映するものになると予測でき、事前予想とかけ離れた悪い結果となる確率はそう高くないといえます。
短期的には円高も
このように、2019年のドル/円相場は、長期的にはドル高基調が続く可能性が高いといえますが、短期的には円高の局面に入れ替わることも視野に入れる必要があります。米中貿易摩擦や中国経済の減速、中国以外の海外景気の減速懸念などの不安定要因次第では、安全資産の円が買われることで短期的な円高局面が訪れることは否定できません。
特に2019年の後半は、米中貿易摩擦や海外景気の減速などの要因が、米国の景況にも影響を及ぼす懸念があり、またこれまで継続してきた利上げが終了に向かうとの予測もあります。
このようにみると、2019年のドル/円相場は、長期的にはドル高を基調にしながらも、様々な要因から短期的には円高局面などの波乱も起こり得るといえそうです。
2019年に勝てそうなFX戦略とは
したがって、FXのトレード戦略としては、長期投資として高金利のスワップを獲りながらドル/円を一定量持ち続け、そのポジションとは別に、円高局面を迎えた時に売りポジションをその都度建てていく作戦も方法のひとつです。
以上が2019年の雇用統計予想です。あくまで予想なので保証出来ませんが、基本的には事前予想との乖離が大切だという事を覚えておいてください。
よく本などに雇用統計時のトレードは危険だからやめておいた方がいいなどと書いてあります。本の言う通り値動きが激しいのでハイリスクである事に違いはないのですが、上手に乗りこなせばハイリターンが帰ってきます。
色々な方法を試してみるといいでしょう。
それだけではないFXの必勝法
FXの相場は、雇用統計の結果に大きく影響されますが、相場を動かすのはそれだけではありません。
雇用統計は年12回のイベントだが、それだけでは稼げない
雇用統計で稼ぐチャンスは年12回あるため、その勝ち方のパターンを覚えることは非常に重要です。しかし、雇用統計発表という非日常的な相場で、特殊な手法を編み出して勝てたとしても、その方法がそれ以外の一般トレードで通用する保証はありません。
限られたイベントだけに勝てる投資法を身につけるのみでは、年間のトータルで稼ぐことは難しいのです。
他の時でも通用するトレード手法を編み出そう
雇用統計をはじめ主要経済指標発表時のトレードは、特別に注意を要するポイントがあることは確かです。
しかし、そこでのトレードを特殊な手法や技術として分けて捉えるのではなく、主要経済指標発表時でも、一般の相場でも、どこでも通用する王道的な投資方法を勉強し、マスターしていくことこそが時間はかかりますが、最も重要といえます。
一見ランダムで複雑にみえるFXの相場には、相場を形成する一定の法則やルールがあるといわれています。その基本的な法則やルールを覚え、段階を踏みながら様々な場面に対応できる正攻法の手法やトレード技術を学んでいくことが、結果的にFXで強い投資家になる一番の早道ではないでしょうか。
FXの必勝法についてもっと知りたい方は以下の記事にまとめましたので参考にしてください。