両建てをFXで正しく使うには

両建ては必勝法じゃない 節税のもの

ネットで「FX 両建て」と検索すると

  • FX両建て必勝法
  • FXの両建て手法
  • 両建てナンピンFX手法

このようなページがたくさん出てきます。

両建てというのは、買い取引と売り取引を同時に行うこと。買いと売りを同時に入れる両建てというのは、FXでどんな意味があるのでしょうか?

実はこの両建て、FXの取引で直接利益を得るための手法としては意味がありません。

しかし、FXにおいて両建てというのはしっかり使いどころがあります。両建てはFXでは、節税に使うことができます。

このページではFXの両建て手法がなぜ意味がないのか、両建てでどのように節税をすればいいのかを説明していきます。

それではどうぞ。

FXで両建てをする意味とは

先に話したように、FXのトレードで直接利益をあげようとするうえで、両建てというのはあまり意味がありません。

まずは両建ての意味をおさらいしてみましょう。

FXにおける両建てとは?

両建ては、買いと売りの注文を同時に入れることを言います。

両建て1

売りと買いを同時に入れているので、どれだけ為替レートが動いても利益も損失も出ません。両建てした値段から価格が上がり、買いポジションで含み益が出たとしても、売りポジションで同じ大きさの含み損が出るからです。

両建て2

何回か言いましたが、FXの両建てはこれだけではあまり意味がありませんね。

しかし、この両建てを上手く使えばFXの必勝法になると書いてあるページもあります。

両建て手法、両建てナンピン必勝法は無意味

両建ての必勝法はない

ネットには「両建てナンピン必勝法」なるFXの両建て手法があるようです。

両建ては説明した通りですが、ナンピンとはどういうものなのでしょうか。

ナンピンとは、例えば100円で買いを入れて、98円に下がってしまった場合にさらに買いポジションを入れることを言います。2円の値動き分の損失が出ていますが、1円だけ値を戻して99円になった場合に損益が相殺されますね。

両建て3

両建てナンピン必勝法とは、これに両建てを掛け合わせたものです。

両建てナンピン必勝法 その1 サイトA

ドル円相場が100円から91円に下落するとき、あるサイトAでは、両建てナンピンFX必勝法でこのように取引する例が載っています。

サイトAの両建てナンピンFXの取引

  • 100円 買い
  •  99円 売り
  •  98円 買い
  •  97円 売り
  •  96円 買い
  •  95円 売り
  •  94円 買い
  •  93円 売り
  •  92円 買い
  •  91円 売り

この両建てナンピンFX手法での注文にどんな意味があるか当編集部で、通常の取引に書き直してみました。

当サイトの編集部の書き直し(通常取引)

  • 100円で買い → 99円で決済
  •  98円で買い → 97円で決済
  •  96円で買い → 95円で決済
  •  94円で買い → 93円で決済
  •  92円で買い → 91円で決済

サイトAの両建て取引と、当編集部の書き直しの通常取引、実は値段がどのように動こうが損益の結果は全く一緒になります。

むしろスプレッドやスワップの分だけ通常の取引の方がお得です。

さらにほかのサイトも見てみましょう。

両建てナンピン必勝法 その2 サイトB

ドル円相場が120円から117円まで下落するとき、このように取引するそうです。

サイトBの両建てナンピンFXの取引

  • 120円 買い
  • 119円 買い
  • 119円 売り
  • 118円 買い
  • 118円 売り
  • 117円 買い
  • 117円 売り

このサイトBの注文についても、どんな意味があるか通常の取引に書き直してみましょう。

当編集部の書き直し(通常取引)

  • 120円 買い

これだけです。119円、118円、117円の注文は売りと買いを入れているので、何もしていないのと一緒ですね。

つまり、120円以上になれば儲かりますし、120円以下になれば損が出るというだけのものです。当然どのような値動きをしてもサイトBと当編集部の書いた取引の損益結果は一緒ですし、取引としては全く同じ意味となります。

この注文でもスプレッド分とスワップ分は当編集部の取引の方がお得だと言えますね。

つまり両建てナンピン必勝法とは・・・

両建てナンピン必勝法は意味がない

つまり、含み損と含み益とがある程度増減するものの、結果的にはまったく意味のないポジション管理をしているだけと言えます。もう少し言えば、両建てナンピン必勝法とは含み損の先送りです。

つまり両建てナンピン必勝法の意味合いは、「含み損の先送りをしながら取引を継続し、いつか含み益が含み損を上回るまで取引をしましょう」というものになります。さらに、「ただし含み益が含み損を相殺できなければ、大損となりますよ」というリスク喚起もしてくれていますね。

基本的には両サイトともに両建ては意味がないとしながらも、「メンタル管理として」という意味合いで両建てを推奨しているようです。

当編集部としては、含み損の先送りは良くないという見解です。むしろFXはじめとする投資において求めるべきは、現状の正確な把握と効率の最適化でしょう。ポジションの管理はより単純化するのが大事です。

両建てなどせず、しっかり損切りで損を確定させ、次の取引と値動きの予想をしっかりすると良いでしょう。

さて、そうなると・・・

両建ては意味がない?

FXにおいて両建てというのは意味がないのでしょうか?

実際の取引で利益を得る手法としては意味がない、むしろスプレッド分を損する非効率的な手法だと言えます。先に言ったように、両建てナンピンFX必勝法の本質は「損失の先延ばし」です。

両建てで損失の先延ばしが出来るということは、反対に含み益の先延ばしもできるということ。

実はこの含み損や含み益の先延ばしというのが両建ての神髄です。

節税には間違いなく使える。禁止業者に注意

両建て節税手法

両建てによって含み損や含み益を先延ばし(固定)することは、取引であまり役に立ちません。

しかし、節税においては絶大な威力を発揮します。

ここで、FXの税金に関しておさらいしてみましょう。

損失は繰り越せても利益は繰り越せない

例えば今年、あなたがFXで500万円の利益を得たとします。500万円の利益だとおよそ100万円ほどの税金を支払う必要があります。

つまりあなたの手元に入るお金は400万円ということ。

しかし、次の年に450万円の損失が出たらどうなるでしょう? こうなると2年間のFXの利益は500万円-450万円で+50万円のはずですが、1年目で100万円の税金を払ってしまっているので、あなたの手元に残るお金は500万円-100万円ー450万円で-50万円分という損失が出てしまいます。

実はこれ、赤字が1年目で450万円出て、その次の年に500万円の利益が出ていると損益を通算(相殺)できるのです。

簡単に言うと、FXでは赤字(損失)は繰り越せて、黒字(利益)は繰り越せないということですね。

しかし、両建てを使うことによってFXの利益を繰り越すことができるのです。

両建てを使ったFX節税方法

両建てを使えば含み益を先延ばしにできるという話をしました。

実は、FXでは確定した利益は繰り越せなくても確定していない含み益は繰り越すことができます。つまり、今年たくさん利益が出ている場合は、この確定している利益を含み益に両建てで変換する操作をしましょう。

やり方は簡単です。実際に500万円の確定利益の中から300万円分だけを含み益に転換させ、200万円の確定利益+300万円の含み益に換えてみましょう。

  • 両建て(売りと買い)で取引を開始
  • 為替レートが動き、値が高騰
  • 売りポジションの含み損が300万円に
  • 売りポジションを決済

これで500万円の利益のうち300万円が損失として確定し、確定利益は200万円に減りました。しかし、買いポジションは300万円分の含み益が出ているはずですね。

両建て4


(為替レートが下落したら買いポジションで損失を確定させる)

これで確定利益500万円を、確定利益200万円+含み益300万円に変換できました。

この操作をすることによって、この年の課税は確定利益200万円分のみに掛かります(課税40万円程度)。

気を付けなければならないのは、売ったポジションをすぐ持ちなおすこと。売りポジションを再度入れないと、この含み益が値動きによって減ってしまう可能性があるからです。

さて、次の年に損失が出たらこの300万円の含み益を手動で決済、確定させて損益を相殺することができますね。

両建てが禁止のFX会社もある

この両建ては禁止のFX会社もあるので気をつけましょう。

海外FX会社であれば、基本的に両建ては禁止されていません。

さらに、海外FX会社は利益が少ないほど税金が安くなりますので、両建てによる節税の効果もより望めます。

両建て可能な海外FX会社について

まとめ

いかがでしたでしょうか?

FXの両建てナンピン必勝法は残念ながらあまり意味がないというのが当編集部の見解でしたが、節税手法としての両建ての効果は抜群です。

この節税手法は違法でも脱法でもなく、現在正当な節税手法として扱われています。

是非これを機会に両建ての節税手法に挑戦してみてください。

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